スローライフな介護日記・危機管理・介護認定

介護は危機管理

子供の頃は親には負けてばかりだったのが、いつしか勝てる日が来て嬉しくて・・はっと気づいたら歩く速度が遅い親の姿に気づく物です。個人差もありますが、70歳を過ぎた辺りから弱ってしまう人も結構おられます。日頃から足腰が弱ると困ると危機感を持って運動されていると80歳を過ぎても元気な方もおられますが、永久に弱ることなく過ごす方はおられませんので、親が健康で長生きなら子供として介護は必ず通る道と考えて危機管理をしておいた方が良いと思います。

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とは言うもののいつも親を見張って体が弱らぬように、食べ物には気をつけてなどということは、親と二人で暮らして仕事も同じような環境でもなければ無理ですよね。多くの人が親とは離れて暮らし、仕事も違い、生活のリズムも違うというのが大半だと思います。

私も親とほとんど会う事すら少なく仕事仕事の日々でしたし、二人の子供の成長ばかり考えて過ごしていました。介護はまだ当分先の事と、電話で話すと元気な親を気遣う事も無く病気をしないでいてくれれば大丈夫ぐらいにしか思っていなかったというのが正直な話です。

介護がどういうキッカケで始まるかは人それぞれですが、ちょっと何処かが痛むとか、家の中で転んでしまったとか、遊びに行った先で風邪になったとか、些細な事が最初の理由だったというのが殆どのようです。自分の親の場合は二人ともに突然の入院からでした。母親はそれまで入院した事すら無かったのですが、ある日突然に家で転んでしまったという電話を受け、飛んで行きました。

最初は普通に玄関に出てきたのですが、買い物を頼まれ食事の用意をしてその日は帰りました。また次の日に電話があって、今度は動けなくなったというのです。どうも再度転んでしまったようですが、本人の記憶もかなり曖昧になっていました。

どうも見た目も少し前とすっかり変わってしまって普通ではありません。家族からも入院させた方が良いと言われ、転倒している可能性もありましたので救急車をお願いしました。搬送先の病院で診断したところ、軽い脳梗塞の後があり、脳も萎縮しており栄養失調も見られました。痴呆とまでは行きませんが、体もあまり自由にならなくなり、食事も満足にしていなかったようです。

親の介護が始まると今までの日常では知らなかった様々な事に遭遇します。介護をする上で理解していないと困る事は、介護を経験した人にしか分からない事が多いというのも事実としてあります。

そしてもう一つ、私自身が介護をしている時期には全く気づかなかった事が後々自分自身の変化として訪れます。仕事をしなくては生活できない人にはこれが最も重要で大きな危機なのかもしれません。個人差も大きいとは思いますが、今現在介護をしている方々へのアドバイスとしてお伝えしなくてはと考えています。

気づかない脳梗塞

親と離れて暮らしているとその食生活や普段の様子があまり分からなくなってしまい、危機管理は出来ないというのが実際でした。元々食が細くて好き嫌いが多く、一緒に住んでいた頃は食事をまともに取らないので、母親には随分注意しました。友人の母親が医師で、同様に注意してくれても聞きませんでした。
幾ら注意しても自分が好きなようにしかしませんので誰も注意しなくなり、結果的に好きな物をコンビニで買ってきては食べていたようです。部屋で転倒したと言うので駆けつけた時も、近くのコンピニで好きな商品を幾つか頼まれましたが、健康的な食品ではありませんでした。母親の場合、食生活の問題もあったのかとは思いますが、70歳を過ぎても血圧が高い訳でもなく、糖尿病でもありません。むしろ食生活が細く、偏っていたために血圧は低くて、高血圧の人が避ける食物を多く摂取するように医師からは注意されていました。

そのような生活の中で本人も気付かずに脳梗塞を発症していたのには、さすがに驚きました。恐らく頭痛程度の自覚症状はあったのだろうと思いますが、病院に搬送されて頭部のCTを撮影して初めて脳梗塞の後が幾つか見られました。脳自体も少し縮んでいると言われ、痴呆があるのではとも言われましたが、その後の介護認定では痴呆は特に無いという判定でした。
数日前までは近所に普通に買い物に出掛け、以前と同様の生活をしていたようですが、少し前に脳梗塞も発症し、気付いたら転倒していて、結果的に歩けなくなってしまったというのが経緯のようですが、私のように兄弟姉妹が居ない男性が別居状態で親の世話をするというのはまず無理だと思います。色々な形で介護を経験し、今の経験があればもう少し上手く出来たと思う事も多くあります。一方では、それでも防げなかったかもしれないと思う点もあり、前後しながらも思うことを書きたいと思います。

数十年後には自分が介護を受けている可能性もありますが、80歳代まで現役という方もおられます。私の親のように70歳代で入院し、残りの人生は介護生活になってしまったというのは本人にとっても子供にとっても嬉しいことでは無いと思います。介護をしながら、一方では自分は介護を受けずに現役を少しでも長く送りたいと思いました。介護を受けずに健康で元気な人生を送るという事についても、自分の親の生活と元気な方々の生活を比較する事で多くを感じ取る事が出来ました。介護は大変な仕事で、逃げたくなるかもしれませんが、自分の人生をより良い形にする為の研究にもなるのではと思います。